「夫という人と、結婚生活のはじまり」

亡き夫のこと

夫という人

私たちは20代後半で結婚しました。
当時、夫のご両親はお父様が52歳、お母様が47歳。
夫は、弟・妹と両親、そして父方の祖父母のいる家庭で育ちました。
三世代が共に暮らす、いわゆる「にぎやかな家族」の中で育った人です。

しっかり者で家族思い、ちょっと天然なところもあるけれど、誠実でやさしい。
私にはもったいないくらいの人だと、結婚当初はよく言われたものです。

新婚生活の衝撃エピソード

初めての結婚生活。
私は、可愛いエプロンをつけて、ちょっと緊張しながらも楽しく朝食の準備をしていました。キッチンでお味噌汁を作りながら、ネギを刻んでいた時のことです。

寝室から夫がひょっこり顔を出して言いました。

**「ネギトントンで起こしてよ」**

……え?

どういう意味かと言うと、
“お味噌汁のネギをトントン刻む音で起きたい”ということ。

つまり、音で朝を感じて起きるのが、彼にとっての「理想の新婚生活」だったようです。

一瞬「なんじゃそりゃ」と思いましたが、新婚ほやほやの私は笑って「は〜い♪」と返していました。

ですが——

この“ネギトントン生活”は、その後なんと **20年** 続くことになります。

ちいさな違和感って、時に20年つづく。
でも、それもまた「夫らしさ」だったのかもしれません。

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