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時間と記憶
亡くなってから9年。
時間の経過とともに、記憶や思い出が薄れてしまう場面もあれば、いまも鮮明に覚えている場面もあります。
その中でも強烈に刻まれているのが、主人のがんが分かったときのことです。
最初の健康診断
単身赴任先で健康診断を受けた主人。
その結果は自宅に送られてきました。
でも我が家のルールで「本人が開封しなければならないもの」は私が勝手に開けない。
だから1ヶ月近く、封筒はそのまま放置されていました。
1ヶ月後、やっと開封した主人からの報告は――
「血尿と血便があるみたい」
ただ、レントゲンも採血も「異常なし」。
私は深刻さを感じず、
「じゃあ検尿と検便だけ、再検査したら?」と声をかけただけでした。
自宅へ戻ることに
さらに1ヶ月後、人事異動があり主人は自宅へ戻ることに。
そのとき私がまず思ったのは――
「えっ、これからお弁当は子どもとパパで3人分? わ〜〜、ちょっとめんどくさいかも(笑)」
そんな日常の小さな変化を、あの時はただ冗談まじりに受け止めていました。
再び健康診断、そして衝撃の結果
異動先では「新しい職場で再び健康診断を受ける規則」がありました。
「え、また〜?」と少し面倒そうにしながらも受診した主人。
ところが――
胸のレントゲンで左肺がほぼ真っ白。
そして検査結果には 血尿・血便 +++。
会社からはすぐに再検査の指示。
近くの病院を受診すると、医師からこう伝えられました。
「肺にがんの影があります」
信じがたい事実の入り口でした。
そしてさらにわかったこと。
1ヶ月前の単身赴任先での健康診断――
クリニック側のレントゲン撮影ミスによる“見落とし” だったのです。
👉 次回は、この「がんの告知」を受けてからの日々について書きたいと思います。
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